はじめまして。
この活動を始めたきっかけは個人的な体験からきています。私自身お店を作ってみて感じたのは、小さなお店も大きな店も同じ評価軸に並べられているという違和感です。食事の良し悪しは簡単に点数で決めれるものではありませんし、人も料理もその時々で状態が変わりますし、味覚は人によって極めて相対的なものです。
目に見える情報だけでは決して計ることのできない根を張った普遍的な情報を表現できないかと思い立ちREATABLEを作りました。
物事は視点によって見え方や解釈が変わります。普段は知ることのないお店を作った人の人生の物語に触れることで見えてくるもの、何を考えているか、何を大切にしているのか、それらが少しでもわかると食事の体験に奥行きが増すのではないでしょうか。表面だけを消費するのではなく、過程や文脈を知る趣も一緒に味わってほしいと思います。
料理の美味しさを作るのは食材や技術もそうですが、やっぱり最後はまぎれもなく作り手の想いです。長くこの仕事に携わっているからこそ言えることです。人の手から生まれる料理という作品にその人のすべての経験や感情が詰まっています。作り手が大切にしていることを同じように大切にする。その営為が人生を豊かにすると信じています。
なぜ自分のお店ではなくライバルでもある他のお店を紹介するのか。直感的に身体が動いた、が嘘偽りない真意です。食のこと、料理のこと、業界のこと、これからの社会のこと、抱いている倫理観、普段からの問題意識や思考がつながって立ち現れた着想のひとつだと思っています。料理を生業としてきたからこそ、当事者として店主さんに生の声を聞けます。うれしいことも大変なことも、そうした気持ちに寄り添えることが自分にしかできないことだと自負しております。
人の手から生まれる料理を食べて、その人に会って話を聞いて、その人のことを考えながら言葉にしていく。それらの連続から得られるひとつひとつの学びはとても示唆深くて尊いものです。思いがけない出会いから何か大切なことに気づく。そんなきっかけの場所になればいいなと願います。いつどこでだれに響くかはわからないけれど、長い時間の先で少しでも食に関わる人たちの価値が上がればやっていることに意味が立ち現れてくると思います。
もし当サイトの世界観に共感してくださる方がいれば、
気軽にお声がけ下さい。
REATABLE 編集長 / MEEK 店主
大野 宗達
reatable.i@gmail.com