残る食事

料理は食べたらなくなります。
音楽や絵画のように繰り返し楽しめたり、
後世に残っていくものではなく、
その場所その時間でしか味わえない瞬間の芸術。
食は生きるために欠かせないもの。
日常に溢れているので、忘れてしまうのがほとんどです。
その中でも特に、作り手の顔が見えるお店に行って食べる食事は、
より作品としての価値が高いのではないかと考えます。
作り手が考えていること、歩んできた人生、
学んできた技術、すべての想いが凝縮された料理がお皿の上で表現されます。
料理を介してのコミュニケーションが行われます。
近い距離で生まれる感謝の交換は、
感動を生みだし、心も身体も満たされます。
食べたものは消化されて残りませんが、
人と交わした感謝や心のやりとりは記憶に残ります。
また記憶に残るほどの出来事は、人生を豊かにしてくれます。